「GeekBar講武堂」とは、GeekBarと同じなスマートフォン業者間で、ハイテクに関することを、より沢山の人と分かち合うために設けられた番組です。
そして今回取り上げる内容は、「iPhone8の充電トラブル」に関する実例解析です。
実は前日に、GeekBarはある依頼主から、充電できなくなったiPhone8をいただきました。
故障したiPhone8を頂いてすぐ、故障原因を探るためにiPhone8にいくつの簡単なテストを行いました。
まず、故障したiPhone8に新品のバッテリーと電源コネクター、配線を用意して交換してみました。この目的は、「故障の原因がスマートフォン内部にあるのではなく外部部品にある」という可能性を排除するためです。
バッテリーと電源コネクター、配線を交換した後に、故障した機体をテストしてみましたが、相変わらず充電できません。
しかも、交換した新しいバッテリーは、88%ぐらいの電源状態を表示するはずなのですが、故障したiPhone8では僅か1%しか表示されていませんでした。しかし、ケーブルで充電した瞬間に振動反応が計測されます。次に、iPhone8にはワイヤレス充電機能が搭載されていますが、有線充電機能だけではなくワイヤレス充電機能がうまく機能しているかについてもテストしてみるとことにしました。結果は、故障したiPhone8はワイヤレス充電も故障しています。そしてこちらも有線充電と同じように、充電した瞬間に振動反応が計測されました。
これまでのiPhoneに関する修理経験では、先ほど行った2パターンの充電方法以外に、もう一つ「シャットダウン状態で充電する」ということも検証しなけれなりません。なので、再びシャットダウンした状態で故障したiPhone8に充電してみました。結果は、シャットダウン状態で充電した時の最大電流は900mAhぐらいにもなりましたが、故障したiPhone8は起動して待機画面に入った瞬間に、電流は直ぐに100~300mAhぐらいまで落ちてしまいます。計測の結果によって、故障したiPhone8はチャージシグナルを識別できた、ということが明らかになりました。
次に、故障したiPhone8をiTunesに接続してみましたが、問題なく接続に成功しました。
この結果によって、USB回路も正常に動いていることも確かめられました。更に、先ほど故障箇所を検証するため行った、新しいバッテリーと電源コネクター、配線に交換した時のテストの結果をみても、故障の原因が外部の部品によるものという可能性も完全に廃除できるでしょう。
以上のような検証の結果によって、故障の原因はマザーボードのバッテリー検出回路にあると推測するすることができます。
そして、図面によれば、iPhone8のバッテリー検出回路は、バッテリーコネクターJ3200、抵抗R3202、R3201を通してプロセッサーA11やU1000と接続した電界効果トランジスタQ3200、Q3201によって構成されています。
iPhone8のバッテリー検出回路は旧式のiPhone機種とは違って、iPhone8はI2Cシリアルバス通信方式を採用しています。
次に、オシロスコープを使用して故障したiPhone8をテストしてみました。オシロスコープにある2つのテストプロッドを、それぞれ2番と3番の電池接続口に接続しました。
オシロスコープで表示される波長を比較してみると、3番の電池接続口で測定したI2C波長が不安定になっているのが分かります。なので、故障の原因は3番のバッテリー検出回路にあると判断することができます。
次に、オシロスコープにある2つのテストプロッドを抵抗R3202とR3201にそれぞれに接続し、オシロスコープの表示を見ると、I2Cの波長は正常に戻りました。
オシロスコープの波長計測により、今回故障したiPhone8の故障の原因は「電界効果トランジスタQ3201の不良」だと考えられます。電界効果トランジスタQ3201の不良が原因で、メインコントローラーが発信したI2C信号が正常に受信コントローラーに届きません。従って電界効果トランジスタQ3201を交換します。
修理作業が完了した後、有線充電器でスマートフォンに充電してみました。充電機能は正常に戻りました。バッテリー残量の表示も88%になっています。続いてワイヤレス充電もテストしました。同じく、ワイヤレス充電機能も正常でした。
以上、iPhone8充電トラブル実例に関する修理作業中の考え方や手順でした。
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出所:GeekBar.cc
翻訳者:Amemoba メディア運営チーム